投資のリターンとリスク。低利回りの運用商品は本当にローリスクなのか?
とあるサイトでこの金融商品は利回りが○○%なのでミドルリスクといった紹介がされていました。この「利回りの大きさ=リスク」という考えには大きな違和感を感じます。
利回り10%ならハイリスク
利回り3%ならミドルリスクとかローリスクとか言ったりする人がいます。
現在の状況で利回り10%の運用がハイリスクであることは間違いないといえると思いますが、利回り3%というがローリスクあるいはミドルリスクであるということは確実なものではありません。
なぜなら、利回りを上げるためにはリスクをとる必要がありますが、利回りを下げることは販売者側からすれば簡単だからです。
アパート投資で考えると利回りの上げ方、下げ方
たとえば、ボロアパートがあるとします。
このアパートは800万円で売りに出ており、賃貸に出して入居者が付けば毎月10万円の賃料が入るとします。
利回りにすれば表面15%で運用できるということになります。
でもかなりボロなアパートなので、入居者が付かない可能性もありますし、想定外の修繕や修理が必要になるようなリスクもあります。
それなりにハイリスクな不動産投資だといえるでしょう。
利回りを下げるだけは簡単
この利回りを下げるのは簡単です。
業者が中抜きを増やせばそれだけ利回りは下がります。一般的には不動産管理会社は家賃の20%程度を手数料とすることが多いですが、40%抜けばどうなるでしょうか?
20%の場合:利回り12%
40%の場合:利回り8%
といったように、手数料さえ増やせば利回りは簡単に落とすことができます。
利回りだけで投資商品を判断してはダメ
何が言いたいのかというと、ハイリスク、ローリスクという判断は提示されている利回りだけで判断することはできないということです。
なぜなら、利回りを下げること自体は誰でも簡単にできるからです。
その商品はハイリスクなのか、ローリスクなのかは利回りだけでは判断することができないのです。
ハイリスク・ローリターンの商品は簡単に作れるというわけです。
実際にはその運用商品の収支や資本の毀損などについて考慮して判断する必要があります。
コストが高い・不透明な商品は厳しい
ローリスク・ハイリターンな商品の多くはその差分を手数料として業者が抜いています。
取得コストや管理コストなどのコストは、投資成果結果に対して100%確実に発生するマイナスリターンを生み出すものです。
前述のアパート投資では管理コストが増加することで収益性が低下したことがわかりますよね。
結論として、投資商品のリターンだけでその商品がハイリスクなのか、ローリスクなのかは全く判断することはできないということです。