森金融庁長官が日本の金融機関の投信販売姿勢を痛烈に批判。手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視
2017年4月7日に開催された日本証券アナリスト協会 第 8 回国際セミナー 「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略 」における 森金融庁長官基調講演において森金融庁長官が現在の金融機関における投資信託の販売姿勢を痛烈に批判しました。
ちなみに、全文のご一読をお勧めします。
http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf
現実を見ると、顧客である消費者の真の利益を かえりみない 、生産者の 論理が横行しています。特に資産運用の世界においては、そうした傾向が顕著に見受け られます。
本年 2 月の我が国における純資産上位 10 本の投信をみてみると、これらの販売手数 料の平均は 3.1 %、信託報酬の平均は 1.5 %となっています。世界的な低金利の中、こうし た高いコストを上回るリターンをあげることは容易ではありません。日本の家計金融資産 全体の運用による増加分が、過去 20 年間でプラス 1 9 %と、米国のプラス 132 %と比べて はるかに小さいことは、こうした投信の組成・販売のやり方も一因となっているのではない でしょうか。
正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品 を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果、 顧客の資産を増やすことが出来ないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるも のですか?
おっしゃっていることは正しいことです。
まあ、実際のところ、金融のリテラシーの高い人たちは銀行の窓口で買うべきじゃないってことはご存知の方も多いはずです。
ネット証券でインデックスファンドやETFとかを買えばいいわけです。
となってくると、相手はリテラシーの低い高齢者とかに手数料の高いファンドを売るしかないじゃないか?って話になるわけですよね。
でも、銀行員だって手数料取らないと生きていけないじゃん?
そうはいっても高給取りの銀行員や証券マンを養うためにはそれなりの手数料を取らないとやっていけないという状況も現実なんでしょう。
監督官庁である金融庁自身が銀行の動きをがんじがらめにして、動けないようにしているという批判もあると思います。
だから、そのためには手数料率の高い商品を高齢者だましてでも売るしかないってのは少し話が違うと思うんですよね。
フィンテックだとか言われているけど、金融とITは非常に親和性が高いので、将来的に多くの金融マン(銀行マン、証券マン)がやってる仕事の大部分は機械化されることになるはずです。
別に銀行だけに言える話じゃなくて大手証券だって同じですけどね。クソみたいなファンドラップ作って、これからはストックビジネスだ!なんていってるわけですから……。
僕らにできることはクソな商品をクソといい続けること
まあ、そうはいってもぼったくり商品を銀行が販売していることというのはネットなどを通じて発信されています。
皆のリテラシーが相対的にでも上昇すればこうしたぼったくり商品はいずれにしても売れなるなるので、声を上げていくほかないというのが今の現状なのかもしれません。
あとは、そんな金融マンに自分の両親・家族がひっかかからないようにするってところでしょうか。消極的ですけど……。