うにイズム

福岡で働いているIT関連です。主にWEB界隈と福岡のことを書きます

消耗戦の様相を見せつつあるiDeCo。マネックス証券も参入。iDeCoは儲かるのか?

大手ネット証券のマネックス証券が2017年9月30日からiDeCo(個人型確定拠出年金)の募集を開始しました。

すでに始めているSBI証券楽天証券に合わせる形で運営管理機関手数料は無料になっています。取り扱いのファンドを見ると、SBI証券よりもさらにローコストのファンドをそろえてきていて、これで果たしてやっていけるのかと他人事ながら少し心配になります。

 

あ、iDeCoって何?という方は以下記事をどうぞ。

money-lifehack.com

 

iDeCoにおいて金融機関はどこで儲けるのか?

基本的に収入は二つ

  • 運営管理機関手数料
  • 投信の信託報酬の半分(販売会社取り分)

すでに大手のネット証券は運営管理機関手数料は放棄していますね。ということは投信の信託報酬の半分が収入になるわけです。

信託報酬ってのは、ファンドの運営にかかる経費(売買手数料とか従業員給料とか)をコストにしたもので、年利0.2%といったように決められています。

この比率は残高に対してかかるようになっていて、たとえば、信託報酬が0.2%なら、この分は日割りで残高から差し引かれるようになっています。

その信託報酬の半分が販売会社報酬として投資信託を売った会社(証券会社)に入る仕組みになっています。

www.toshin-guide.com

専門用語では「残コミ(残高コミッション)」という言い方を内部ではしているそうです。

 

投資家一人当たりのiDeCoの収益

たとえば、サラリーマンの場合、年間で27.6万円の掛金が拠出するとしましょう。

ってことは、証券会社の初年度の取り分は仮に0.2%くらいのファンドで運用されたとすると.0.1%の276円が収益ってことになります。2年目は運用額が倍になるので552円ですね。

平均運用期間が15年くらいとしたら15年目でも4140円しか入らない計算。LTV(ライフ タイム バリュー)は33,120円。

とてもじゃないですけど、証券会社にとっては完全赤字でしょう。

 

地銀はコスト高

fukuoka-information.com

別に福岡銀行や西日本シティ銀行が特別ダメってわけじゃないんですが、比較対象として。福岡銀行の場合

  • 運営管理機関手数料:432円

マネックスだと信託報酬が0.2%の国内株ファンドも福銀だと0.5%になっています。

同じ条件だとLTVは89,280円になります。受け取る手数料は約2.7倍ってことになりますね。

 

 

もっとも、iDeCo口座を作ってもらえたら、同時に証券総合口座もできるわけだから、その流れで株を買ってもらったり、NISAなどの他の制度を使ってもらって投信とかを別に買ってもらうという思惑もあるんでしょう。

 

で、最後に何がいいたいかというと、私たち個人ユーザーからすれば、大手ネット証券が自社でコストを負担して個人型確定拠出年金のサービスを提供してくれいるというわけなので、上手に制度を活用したいところです。